ダイヤルアップモデムとは?

ダイヤルアップモデムとは、インターネットに接続するための通信機器の一種であり、主に1990年代から2000年代初頭にかけて広く使用されていました。

このモデムは、電話線を介してインターネットサービスプロバイダーISP)に接続し、デジタル信号をアナログ信号に変換して送信することができます。これにより、コンピューターがデータをネットワーク上で送信および受信できます。

ダイヤルアップモデムは、最大56キロビット/秒の速度で通信を行うことができますが、通常は28.8キロビット/秒または33.6キロビット/秒で動作します。この速度は、現代のブロードバンドインターネットと比較して非常に遅く、ダウンロードやアップロードに時間がかかることが多かったため、ユーザーにとっては不便なものでした。

しかし、当時はインターネット接続が広く普及していなかったため、多くの人々はダイヤルアップモデムを使用してインターネットに接続していました。また、ISDN(統合サービスデジタルネットワーク)などのより高速な通信方式が利用可能になったにもかかわらず、ダイヤルアップモデムはそれらに比べて安価であったため、中小企業や個人のユーザーにとっては依然として重要な手段でした。

現在では、光ファイバーDSLなどのより高速で信頼性の高い通信方式が広く普及していますが、一部の地域ではまだダイヤルアップモデムを使用してインターネットに接続しているユーザーもいます。